オーガニック化粧品の原料紹介:シーバックソーンオイル編

皆さんこんにちは!

今回はホホバオイル程ではありませんがよく名前を耳にするようになったシーバックソーンオイルについて紹介したいと思います。シーバックソーンは西欧、北欧、更には中国、モンゴル、シベリア、パキスタン、インドに生息する落葉低木でその果実が化粧品に利用されます。

実はこのシーバックソーンの美容面での実用性は既に学名で示されています。学名はHippophaeといいHipposはギリシャ語で馬、phaesは輝くという意味で、これは馬の餌にシーバックソーンの葉を混ぜると毛並みが美しく輝くようになるということから来ているんですね。

果実の採取は難しく手間がかかります。果実は枝からとても取りにくく、その際簡単に傷ついてしまい、それによって望まれない酸化や発酵が早まってしまい質の低下を招いてしまうのです。そのため枝を果実がついたまま切り落とし急速冷凍して、その後に果実を切り落とすという手法がよく使われています。更に果実がついたままの枝から汚れを振り落とすための機械もあります。

旧ソ連の国々ではこの果実の抽出は通常50~65℃に熱したひまわり油で行われるのに対し、ヨーロッパでは天然のオリーブオイルのようにコールドプレスとプレスされた生の果汁の遠心分離により得られます。他にも乾燥させた果実全体からCO2蒸留法で取られるオイルもあり、これにはそれぞれ約2%の果実と種のオイルが含まれます。

さて、一言にシーバックソーンオイルといっても実はこのオイルは大きく分けて二種類あり、果肉から取られるか種から取られるかで違います。これからその両方の特徴を少し紹介したいと思います。

果肉オイル

このオイルの脂肪酸の構成はとても特殊で通常は主に動物性の脂質に含まれるパルミトレイン酸やパルミチン酸を含んでいます。これにはオイルを肌に広がりやすく、浸透しやすくする効果があります。このパルミトレイン酸は植物性オイルの中では他にアボカドオイルやマカデミアンナッツオイルにも含まれています。果肉オイルには他にトコフェロール、カロテノイド、ビタミンA、Eを含みます。これらの成分によりこのオイルには細胞の修復を助ける効果、抗炎症そして抗酸化作用があります。肌自身の新陳代謝を促し、細胞の修復を助けるのです。また抗炎症作用と傷の修復を助ける効能により日焼けでの炎症や超敏感肌にも効果があります。

種オイル

種オイルには果肉オイルと比べパルミチン酸が約3分の1程度しか含まれていない一方で不飽和脂肪酸が多く含まれています。このことがこのオイルに果肉オイルと比べ強い酸化作用をもたらしています。

精製過程である程度失われてしまいますがそれでもフィトステロールやトコフェロール、カロテノイドが多く含まれており、それらがリノール酸やαリノレン酸と結びつくことでこのオイルに傷口を塞ぐ、肌の潤いと結び付き癒す効果を与えています。さらに乾燥して剥けた肌やアレルギー気味な肌を整える効果もあります。

このように同じシーバックソーンからのオイルでも果肉からか種から採られたのかで同じ部分もありますが、少し違いがあります。もしオーガニック化粧品の生産者が細かく表記している場合には少し意識して見てみると面白いかもしれませんね。

以上でシーバックソーンオイルの紹介を終わります。あまり名前は知られていないかもしれませんがよく見てみると様々なオーガニック化粧品にも使用されているので、オーガニック化粧品を探す際にはチェックしてみてください。

次の記事でもオーガニック化粧品によく使われるある原料について紹介したいと思います。それでは次の記事でまた会いましょう。

良いスキンケアライフを(*^^*)

ユリア


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