オーガニック化粧品の認証ラベル:NATRUE

皆さんこんにちは!

今回から少しずつオーガニック化粧品の原料についてだけでなく、オーガニック化粧品に関する認証ラベルについても紹介したいと思います。

第一回目はNature+Trueの名前を持つNATRUEについてです。

NATRUEはドイツのオーガニック化粧品組合を中心に2007年秋に設立されました。設立メンバーの中で最も古い企業はなんと約100年前に起業され1960年代には既にオーガニック化粧品の生産を始めていました。

オーガニック化粧品というまだ若い分野では各国にそれぞれ独自の認証ラベルがあり、これは消費者をいたずらに混乱させ、そのままでは認定の際の統一された基準の実現は不可能です。そのためNATRUEのメンバーはナチュラルなケア製品を自覚をもって使用している消費者を最大限支援するため、国際的な認証ラベルの必要性を実感しそれに取り組んでいます。

状況を更に混乱させたのは大手の一般化粧品メーカーがオーガニック化粧品は良い商材であることに気付いたことです。オーガニック化粧品業界は成長著しい、でもそこにしっかりとした「オーガニック化粧品とは何か」という定義付が無い分野のため、オーガニックの原料がほんの少ししか含まれていない製品がオーガニック化粧品だとしてマーケティングされ店頭に並べられてしまっていることがあります。

そのような中でNATRUEは2つの利用から国際的な枠組みでこの分野を統一する必要性を覚えました。

1つは処方の問題です。

化粧品のルールは常に複雑になってきました。オーガニック化粧品を扱う企業にも国際的なガイドラインが必要で自身の意見を国際的な意思決定の場で発信する機会が必要になってきました。拡大する市場には多様性が担保され、価値のある原料の継続的な提供がされることの保証が不可欠です。オーガニックの原料が万が一禁止されるようなふさわしくない規制等はオーガニックの思想に反して研究開発によって生み出された合成原料の使用という結果を招きます。自然は代用されたり開発で生み出されるものではないのです。

もう1つは国際的なオーガニック化粧品の定義の問題です。

消費者は様々な国際的な認定ラベルにより混乱します。さらに生産者はその様々な認定ラベルの基準を一度に満たすことは出来ません。前述のようなオーガニック化粧品の偽装といったグリーンウォッシングが急速に増加していて、なにか対策が必要でした。この分野には国際的な定義や国際的で厳しく、それでいて透明な商業主義に囚われない認定ラベルが必要不可欠でした。

グリーンウォッシングへの対策や消費者や生産者にとって価値のある原料が使用可能かどうかといった問題はこの分野において大事なテーマです。そのため業界の代表として国際的に発言するための枠組みが必要でした。オーガニック化粧品の国際的な定義や原料についてのルールを整備することは消費者に価値のある質の良い製品を保証することに繋がります。

NATRUE認証ラベル

上記の信念の元NATRUE設立の1年後の2008年にNATRUE認証ラベルが生まれました。

NATRUEの設立メンバーのドイツオーガニック化粧品組合は元々そこで製品を認証していましたが、NATRUEの認証ラベルを始めるにあたり自身の製品の認証を切り替えていきました。そして多くの参加企業がこれに続きました。

2009年にまず最初の400製品が認証され、2010年には更に600製品が続きました。

それ以来NATRUE認証ラベルは成長を続け、ヨーロッパだけでなくアメリカ合衆国まで広がりました。NATRUEの認証を受けた製品の数は飛躍的に増え、2015年5月には4300もの製品がNATRUEの認証を受け更に多くの製品が審査されています。

消費者のメリット

さて、NATRUEの概要はだいたい以上ですが、ここからは消費者にとってNATRUE認証ラベルはどういった意味、メリットがあるのかについても解説したいと思います。

NATRUEはオーガニック化粧品を厳しい基準で定義しています。更に今日まで数千の製品が世界中でNATRUEの認証を受けているので、消費者はこれで国際的な基準で厳しく審査されたオーガニック化粧品を簡単に見つけることが出来ます。

もし商品のパッケージにNATRUE認証ラベルがあればそれはその商品が厳しい国際的なオーガニック化粧品の基準を満たしているということです。

NATRUEが消費者に保証すること

NATRUEでは公平性と厳格さを保つため認証の基準を専門家による第三者機関によって定めています。また実際の認証の際の審査も独立した機関に依頼していて、そこで製品がNATRUEの基準を満たしているか二段階で審査されています。まず製法が審査され、その後実際の製品が2年に1度審査されます。そのためNATRUEでは常に審査が更新されていきます。

その審査機関自体もまた別の機関に4年に一度審査に十分な能力を備えているかテストされています。

原料

NATRUEで認められる原料は生産方法から3つにわけられます。

自然原料

自然風原料

自然由来の原料

自然原料は自然そのままか物理的な工程でのみ得られる原料です。

自然風原料は自然原料から公認された化学反応によって得られた原料です。

そして自然由来の原料とは顔料、ミネラル、保存料等で、実験室で精製されるものですが元々は自然に存在するもののことです。これらの原料は消費者の安全のために不可欠な場合(保存料)か製品の純度を守るための場合(顔料、ミネラル)のみ認められます。いずれにせよ、全て元々自然に存在しているということが特徴です。

完全に人工の原料は認められていません。

そして最後の原料は水なのですが、NATRUEでは水は分類に含まれていません。自然の原料の割合を水で水増しすることを防ぐ為です。

75%ルール

オーガニック化粧品業界やその消費者にとってグリーンウォッシングは大きな問題です。実際はそうではないのにマーケティングで消費者にオーガニック製品だと錯覚させることが度々起きています。

NATRUEはこれに対応する為に75%ルールというものを定めています。これは生産者に全製品の75%以上がNATRUEに認証されていない限り、NATRUEの名前を使ってマーケティングをすることを禁じるものです。つまりあるブランドが全製品の数%しかNATRUEの認証を受けていないのに全商品がNATRUEの認証を受けたオーガニック化粧品のブランドであると自称することを防いでいます。

各カテゴリーに合わせた基準

NATRUEには製品に応じて13のカテゴリーがあります。これは各カテゴリーに合った基準を設定する為です。例えば90~100%自然原料のボディオイルを作るのは難しいことではありませんがシャンプーはどうでしょうか。表面活性剤無しでシャンプーを作るのは難しく、表面活性剤は一般には自然風原料に分類されます。ベーシックなシャンプーでは成分の約3分の1がこの表面活性剤です。残りの分の50%は水です。このような製品では自然原料をボディオイルの場合のような比率で使用するのはほぼ不可能です。

ではどのようにボディオイルとシャンプーを同じ基準で審査するのでしょうか。不可能です。そのためNATRUEでは細かく分けた製品ごと13のカテゴリーに対応した審査基準を設定しており、この基準で各カテゴリーごと最大限のナチュラルさを保証しているのです。

長くなってしまいましたがこれでNATRUEの紹介を終わります。ただ注意が必要なのは、NATRUEの認定を受けていない製品が全て偽物のオーガニック化粧品ではないということです。多くの小規模生産者は審査や認証にかかるコストを負担出来ない、各々のポリシーにより認証機関を利用していないといった場合があります。これが100%絶対の判断基準ではないです。といってもNATRUEの認証を受けた製品は疑いのないオーガニック化粧品なので、もし見つけた製品にNATRUEの認証があったら安心して選ぶことが出来るでしょう。

この記事が皆さんのオーガニックスキンケアの助けになれば嬉しいです。

それでは良いスキンケアライフを(*^^*)

ユリア

credit: photo by Moose Photos on Pexels

Junobyu Blog

ドイツから日本へ体に優しいオーガニック化粧品をお届けします。

0コメント

  • 1000 / 1000